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ルークが彼と出会ったのは、単なる偶然の結果だっただろう。
それでも彼らは出会ってしまった。出会って、そこから始まってしまった――。

「お前がイレイク?」
「うん。ルークでいいよ」

ただ普通に言葉を交わして、剣術大会の出場者同士、ライバルだと思いあった。

ライバルだった。年の変わらない、同じ騎士を目指す少年同士。

それが――

「勝者、ルークスティン=イレイク!!」

歓声が上がった。決勝だったから、観客も多く、注目度も高く。

誇りを持って胸を張り、まっすぐ栄誉を授けられるその姿は、まだ未熟ではあるものの立派な騎士そのもので。

「……ルーク。ルークスティン、イレイク」

未来に向けて進みゆくルークを、その瞳を濁らせ見つめる姿があったことを、この時まだ彼は知らなかった。

少年は、騎士を目指していた。
ルークと同じ道を目指し、同じように学び、鍛え、励み――
だが、ルークと異なる道を歩き出した。この日、この時、その瞬間から。

「勝負だ、ルーク!!」

最初は正々堂々と。剣と剣、騎士としての勝負を申し込み。

「エーヴィ、俺は負けない」

そのたびに返り討ちにあい、悔しさは募る。彼の紳士なほどの潔癖さ潔白さに、さらに己の惨めさを感じては暗い感情が膨らんでいく。

次第に奇襲を仕掛けるようになった。闇に紛れて襲い掛ることもあった。
それでも勝てはせず、かといってルークはただ打ち負かすだけで、傷付けようともしてこないどころか、非難さえせずに。

その頃には、ルークはすでに騎士として完全に認められ、城に上がり、護衛などを任されるようになっていた。

「ルーク……!!」

彼とは異なり、自分は。
あの日、大会で優勝をし騎士として取り立てられるチャンスを失って。……完全に失ってしまった気になって。

剣術を用いて勝てないのならばと、忌まれる魔導の力を得ようと思い立つ。
最初はただの思い付きだったかもしれない。だがそれは、徐々に徐々に、そして大きく、人生を変えていく。

「お前、魔導使いなんだろう!」

偶然にもシライザに巡り会い、力を寄越せと叫んだ。魔導を使えるようにしろと脅した。

「なら俺に従え!」

その男もまた一筋縄ではいかない人間だったが、面白そうだからと、後天的に力を扱う術を教えられた。

己が何を望むのか、何故それほどまでに執着するのかもわからぬまま。

道を踏み外していることだけを、気付きながら、生きてゆく――。













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